2015年刊行ではあるが、共訳書の紹介をしていなかったことに今更ながら気づいたので、遅まきながら紹介しよう。
共訳『世界のミツバチ・ハナバチ百科図鑑』河出書房新社 (2015/6/5)
ノア・ウィルソン=リッチ(著)、原野健一(日本語版監修)矢能千秋(訳)、寺西のぶ子(訳)、夏目大(訳)
TEDxBoston 2012で「都会で健康なミツバチを育てよう」というタイトルで著者のノア・ウィルソン・リッチ氏が話している。スピーチの日本訳もTEDのサイトに掲載されているので、音声と合わせて読んでみて欲しい。
ノア・ウィルソン・リッチ:都会で健康なミツバチを育てよう (TEDxBoston 2012)
私たちの生活は、ずいぶんとハチの世話になっている。ハチなどの昆虫が受粉してくれないと、野菜や果物が不作になってしまう。都会でも花を植えたり、草地を残したりすることで、ハチの生息地を増やすことができる。おとなしいハチもいれば、スズメバチのように攻撃的なイメージがあるハチもいる。
この図鑑では、イントロ、第1章、第6章を担当させてもらった。
少し内容を紹介しよう。
ハナバチの出現
第1章 進化と発達
ハナバチの進化
蜂蜜狩りと養蜂
さまざまなハチの仲間
ミツバチの進化と発生
世界の野生ハナバチ
第6章 世界のハチ事典
単独性ハナバチ
マルハナバチ
ハリナシバチ
ミツバチ
第6章では、40種のハチを紹介している。
ハチの名称や生態などに関しては、玉川大学ミツバチ科学研究センターの原野健一教授に監修していただいた。全ページカラーという贅沢な作りで、6章では、それぞれのハチの体長、生息域、特徴、行動とライフサイクル、実物大のサイズを説明している。掲載されているハチは以下の通りである。
第6章
世界のハチ事典
1)単独性ハナバチ
1. ブリオニー・ビー
2. タウニー・マイニング・ビー
3. ペルディタ・ミニマ
4. テディーベア・ビー
5. ブルー・バンデッド・ビー
6. ケブカコシブトハナバチ
7. サウスイースタン・ブルーベリー・ビー
8. イースタン・クカービット・ビー
9. スクワッシュ・ビー
10. ユーフリエシア・オーリペス
11. ドミノ・カッコウ・ビー
12. コレテス・クニクラリウス
13. コレテス・サクシンクタス
14. サンフラワー・スウェット・ビー
15. スウェット・ビー
16. イエロー・フッテド・ソリタリー・ビー
17. ウォーレス・ジャイアント・ビー
18. アルファルファ・ハキリバチ
19. メガキレ・インテグラ
20. メーソン・ビー
21. レッド・メーソン・ビー
22. ヴァイオレット・カーペンター・ビー
2)マルハナバチ(マルハナバチ属)
23. ガーデン・バンブル・ビー
24. ツリー・バンブル・ビー
25. コモン・イースタン・バンブル・ビー
26. コモン・カーダー・ビー
27. ブロークン・ベルテッド・バンブル・ビー
28. ショート・ヘアード・バンブル・ビー
29. セイヨウオオマルハナバチ
3)ハリナシバチ
30. ロイヤル・レディー・ビー
31. ナノトリゴナ・テスタセイコルニス
32. シュガーバグ・ビー
33. アラプア(イラプア、アベルハ)・カコッロ・ビー
34. イラティム・ビー
35. ジェタイ
4)ミツバチ
36. トウヨウミツバチ
37. オオミツバチ
38. コミツバチ
39. サバミツバチ
40. セイヨウミツバチ
他の章に関しては、ベテランの翻訳家である寺西のぶ子さん、夏目大さんが担当された。
図鑑好きの方であれば、きっと気に入ってもらえるものと思う。書店などで見かけた際には、ぜひ手にとって、買ってください(笑)
ハチは人間が攻撃しなければ反撃しないので、怖がらずに共存して欲しいと思う。繁殖期などでは気が立っている場合があるので、ハチの習性を知ることで、刺されなくて済む。他のハチの巣に居座って卵を食べてしまうハチや、1匹のスズメバチを何百という集団で取り囲み、ハネの筋肉を一斉に収縮させて熱を発生させてスズメバチを殺す、など、昆虫の生態は面白い。読み聞かせにも向いていると思うので、プレゼントにも向いている(笑)
2015年刊行ではあるが、古くならない内容なので本棚に並べて、ときたま手に取るには打ってつけなので買ってください。押し売りっぽくなってきたので、この辺で(笑)
『科学大図鑑』もよろしくお願いします(笑)
この辺の話は、9月14日発行予定の「日本翻訳ジャーナル」にも見開きで書いたので、そちらもご笑覧ください。では、では。
共訳『世界のミツバチ・ハナバチ百科図鑑』河出書房新社 (2015/6/5)
ノア・ウィルソン=リッチ(著)、原野健一(日本語版監修)矢能千秋(訳)、寺西のぶ子(訳)、夏目大(訳)