小網代の森

 昨年から参加している勉強会の課題で文章を書いたのでここにも載せておく。筆者の記憶をもとに書いた文章なので事実と違う場合があることを了承願いたい。

小網代の森

 三浦海岸から134号線の坂をのぼっていくと、のぼりきったところは前方は相模湾、左手は三崎港、右手は鎌倉方面だ。134号線は交差点を右に曲がり鎌倉方面へと向かう。交差点を少し右へ行ったところの左手が、小網代の森の入り口だ。標高約75メートル。県道から逸れて森へと入っていくと、一気に車道からの喧噪が聞こえなくなる。山肌から染み出る清水が小川のせせらぎとなり、森の中を流れていく。遊歩道の階段を下りていくと、初夏には新緑が芽吹く木々に絡みつく藤の花が美しい。階段を下りきると、そこは森の底だ。左右を覆うように木々が生い茂っている。小川の流れを追うように森の中を進んでいく。山肌に目をこらすとむき出しになった土壁の隙間にはアカテガニが潜んでいる。6月になると蛍の舞も楽しめる。春には鳥がさえずり、夏には蝉の鳴き声が降り注ぎ、秋には虫の鳴き声で賑やかだ。覆い被さるように茂る木々のトンネルを、四方八方から聞こえてくる生き物の鳴き声を聞きながら進んでいく。小川の川幅が広くなり、蒲の湿地へたどり着くと、辺りは明るくなり、頭上を覆っていた木々が開け、空が広がってくる。湿地は春には蛙の鳴き声が響き、秋にはトンボが飛び交う。緩やかな傾斜がまだあるようで、山肌から染み出た水は左へと曲がり、海を目指す。しばらく歩くと、左手にアカテガニがダンスを踊る干潟が見えてくる。湾がもうすぐだ。潮の香りがする。小川はすっかり川になり、小網代湾へ注ぎ、相模湾へと流れていく。源流が海へと注ぐまでの営みが、徒歩1時間くらいで見て回れる。京急電鉄の開発に反対して守られた自然。京急三崎口駅から2キロくらいの場所にある。

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