邦題は、『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』、原題は、What Are You Going Through。久しぶりに再会した学生時代の友人に、最後の時間をともにしてほしい、と頼まれるという話だ。なんだかいかにも起こりそうで、手にとった。重いテーマを扱ってはいるものの、240ページと手ごろな厚さ。冒頭は軽妙で、表紙画もポップ。でもだんだん、この表紙の色づかいは、もしかして、と思えてきた。タイトルの『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』は、友人がいる部屋なのか、友人にとって著者がいる部屋なのか、著者が住んでいるアパートの隣人の部屋かもしれない。最後のときに近くにいる、という重いテーマを綴りながらも、元夫、元彼、隣人などなど、さまざまな人の他愛もなさそうなエピソードが回想されていく。フィクションでありながら、とても現実味がある。映画化もされているので、読んでから観るといいだろう。原作の最後は、読んでからのお楽しみ。
図鑑の翻訳をしていると話したときに、日本にも図鑑はあるのに、なぜわざわざ海外の図鑑を訳すのかと訊ねられたことがありました。この図鑑の原書は、DK社というイギリスの出版社がまとめたものです。e-honの説明には、「1974年にロンドンにて創業した世界トップクラスの図鑑の出版社。世界最大の出版グループPenguin Random Houseの一員」とあります。日本は小さな島国ですが、英語で書かれた本は日本語で書かれた本よりも多く存在し、宇宙、植物、動物について書かれた論文の数は、日本語で書かれた数よりも多いでしょう。そんな数多くある英語の本をすべて訳すだけの時間もお金もないわけですが、英語圏で人気の本を選んで、日本語版をつくってくれているのが日本の出版社です。今回の日本語版の翻訳にあたり、河出書房新社の編集者さん、校正者さん、校閲者さんには大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。