なぜ子どもの本を訳すのか

 参加しているヤングアダルトの勉強会の課題で書いた文章なのだが、ここに掲載しておくことにする。最終更新日は、2023年3月9日。

なぜ子どもの本を訳すのか

矢能千秋

 ロシアがウクライナに侵攻して戦いが続いている。侵攻から1年が経ち、隣国から武器が供与されて、新しい武器の試験場、古い武器の処分場になっているように見える。陸続きで国境が接する大陸では、よくあることなのだろうか。テレビで戦いのニュースが毎日当たり前のように流れている。

 息子が18歳になったときに自衛隊から勧誘の案内が届いて、玄関で地面がぐらぐらするような恐怖を感じた。個人情報を渡した自治体にも腹が立った。基地に近いところに住んでいるので、自衛隊や米軍に所属する知人はいる。大学へ行く学費のために米軍に入った人もいるし、防衛大に入った人もいる。

 アメリカに留学していたときに、湾岸戦争が始まった。ビデオゲームのように暗闇をぴゅんぴゅんと砲弾が光りながら飛んでいく様がテレビに映っていた。子どものころに『はだしのゲン』を読んで、戦争はいけないものだと思っていた。クラスで戦争の話になり、戦争に賛成の人がいて反論できずに悔しい思いをした。戦いは避けられないのだろうか。

 息子が大学に通い始めた。工学部だ。進路はまだ決まっていないが航空工学に進むようであれば最先端技術は武器に繋がる。平和利用はできないものだろうか。

 お母さんは戦争反対だからね、と息子に言う。

 戦後78年と言っていたが、戦争を体験した人たちが死んでいき、戦争を知らない者たちがまた若者を戦争に送り込む時代がきてしまうのだろうか。毎日のようにロシアとウクライナの戦いの映像が流れてくるようになって1年が過ぎた。子どもたちはどう思っているのだろうか。

 子どもたちに平和教育をすることで防げるのではないだろうか。原爆の被害を受けた広島の教科書からビキニ環礁でアメリカの水爆実験で被爆した「第五福竜丸」の記述が削除されるという。軍拡した政府にとって都合が悪いものは子どもには教えないのだろうか。わたし自身も戦争を知らずに育ってきた。語り部にはなれないかもしれないが、翻訳を通して物語を伝える手助けができるのではないだろうか。

 戦争反対と声高に叫んでみたところで届くのだろうか。理解してもらえるように伝えるのは難しい。『チャンス: はてしない戦争をのがれて』を読んだ。帯には「ぼくと家族が生きのびたのはまったくの偶然(チャンス)だった」と書いてある。淡々と子ども目線で生きのびていく様が語られる。物語に織り込まれた著者からのメッセージ。

 侵攻から1年。戦争をテーマにしている本は増えているのだろうか。日本は島国だけど、隣国の戦争に巻き込まれることはないのだろうか。少しでもよい未来を子どもたちに残したい。そんな本が訳せたらいいな、と思う。

参考:第五福竜丸も記述削除 中学生向け 広島市教委 平和教材から | 中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター  https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=129045

翻訳と私:韓日翻訳者 加藤慧さん

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第10回は、韓日翻訳者 加藤慧さんに、「翻訳と私」と題して書いてもらいました。

プロフィール
加藤 慧 (かとう けい)
宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部卒業、同大学院博士課程科目修了退学。大学院在学中に漢陽大学校大学院に交換留学し、韓国建築史を学ぶ。現在はオンラインで韓国語レッスンを行うほか、仙台市内の大学で韓国・朝鮮語の授業を担当。訳書に『僕の狂ったフェミ彼女』(イースト・プレス)、共訳書に『なかなかな今日 ほどほどに生きても、それなりに素敵な毎日だから。』(朝日新聞出版)がある。
twitter: chamchi_kay

note版「翻訳と私」
40. 「いつまでたっても道半ば」伊藤伸子
39. 「大海のひとしずくでも~言葉が生みだす思いをかたちに」玉川千絵子
38. 「翻訳を道しるべに」渡辺はな
37. 「翻訳者になりたい、という問いに答えてみた」矢能千秋
36. 「行き当たりばったりで来た道だけれど、愛おしいと思う」猪原理恵
35. 「二足のわらじで夢に向かう」寺田早紀
34. 「すべてがここにつながっていたと、信じたい」鵜田良江
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30.「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)

僕の狂ったフェミ彼女』(イースト・プレス)

【感想】カルロス・ルイス・サフォン『風の影』シリーズ

 カルロス・ルイス・サフォンの『風の影』シリーズを読み終えたので、記憶が新しいうちに感想をまとめておく。2022年8月7日に全国翻訳ミステリー読書会YouTubeライブ第10弾「夏の出版社イチオシ祭り!」で紹介された本の1冊だ。その場で読書会の課題書に選ばれたので、手に取ることとなった。同シリーズは、『風の影』上下巻、『天使のゲーム』上下巻、『天国の囚人』、『精霊たちの迷宮』上下巻の4部作で構成され、バルセロナを舞台として、1917年から現代まで、親子4世代を中心に描いた歴史、恋愛、冒険ありのミステリーだ。

 ふだん、英米小説を読むことが多いので、スペインの巨匠による官能的な描写に戸惑いを覚えることもあったが、スペイン語原書で総ページ数は2520ページにもおよぶ4部作は伏線を回収しながら見事に完結した。『精霊たちの迷宮』だけでも文庫本で1300ページあるが、それほど長さを感じさせない作品だったのでぜひ手に取ってみてほしい。

 簡単に、それぞれの作品について書いてみる。

 まず1作目の『風の影』上下巻だが、舞台は1945年のバルセロナ。「センペーレと息子書店」の息子ダニエル少年の成長譚であるが、父に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で『風の影』という本と出会い、謎の作家フリアン・カラックスとダニエル少年の人生が、時を超えて響き合っていく。下巻の帯に書いてある言葉を借りるとまさに「時を超えて響き合う、二つの人生、二つの恋。ダニエルの『未来』と謎の作家カラックスの『過去』が交差する」だ。

 1作目はそれ自体が単体で完結しているのだが、大作の面白いところは、時代を超えて人と人が繋がり展開する点だ。

 2作目の『天使のゲーム』上下巻は、時を1917年に移し、物語は1作目に登場したダニエルの父と祖父の時代にさかのぼる。今回はもうひとりの作家ダビッド・マルティンが登場する。「忘れられた本の墓場」の管理人イサックなど『風の影』に出てくる作中人物も若返って登場し、1作目で描かれた世界が広がっていく。この作品のエピローグは、1945年6月に終わり、1作目の『風の影』上巻の冒頭へと続く。2作目のあとがきには、こう書いてある。「四つの扉があって、それぞれの入り口からなかに入ると、共通の宇宙がひろがっている」。

 2作目まで読むともう、止まらない。3作目の『天国の囚人』は1作目の続きで、舞台は1957年のバルセロナ。ダニエルは青年になり、父の書店を手伝っている。書店員フェルミン、作家のマルティン、2作目で登場するイサベッラの過去が繋がっていく。3作目の冒頭に書かれている説明がわかりやすいので紹介する。

——

忘れられた本の墓場

 本書『天国の囚人』は「忘れられた本の墓場」の文学宇宙で交錯する四部作のひとつである。『風の影』『天使のゲーム』に続くこの連作は、各巻が完結、独立し、まとまった内容をもつ小説でありながら、テーマ、ストーリーをつなぐ人物やプロットを介して、たがいに結びついている。「忘れられた本の墓場」のシリーズは各々、どんな順に読んでもよく、異なる入り口から、異なる道をとおって迷宮に分け入ることができる。その道がやがて結びあい、読者を物語世界の中心に案内してくれる。

——

 3作目ではダニエルは1児の父親になり、ダニエルの亡き母が明かされる。書店員フェルミンの過去が語られる中で、内戦直後(1936~39年)と作中の現在(1950年代)を背景に物語が展開する。同シリーズは映像化の話が何度もあったそうだが、「読者が頭のなかの劇場で見るものが、最高の映画だ(p372)」として、サフォンは首を縦に振らなかったという。映画向きの作品だと思う一方で、映像では描ききれない作品世界を存分に味わってほしい。

 4作目ではダニエルは店主となり、息子のフリアンも登場する。舞台は1959年、マドリード。『風の影』から15年、遂に物語が完結する。保安組織の捜査員アリシアを中心に、マドリード、バルセロナ、パリ、アメリカと物語は伏線を回収しながら、フィナーレを迎える。11月19日に読書会があるそうなので、これから読めば間に合うかも? そろそろネタバレをしそうなので、この辺で。

札幌読書会 presents カルロス・ルイス・サフォン祭り
第三弾『精霊たちの迷宮』オンライン読書会

11月19日(土)16:00〜18:00

いつまでたっても道半ば 英日翻訳者 伊藤伸子さん 

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第9回は、英日翻訳者 伊藤伸子さんに、「いつまでたっても道半ば」と題して書いてもらいました。

伊藤伸子
 愛知県出身。秋田県在住。英日翻訳者。訳書『手のひら図鑑 ネコ』、『世界を変えた10人の女性科学者』(いずれも化学同人)、『周期表図鑑』(ニュートンプレス)、『もっと知りたい科学入門』(東京書籍)、『イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン学入門』(共訳、エクスナレッジ)など。
 我が家の猫氏の横顔は高良健吾氏にそっくりです。今年(去年から)の目標は「悲愴」(ベートーベン)を弾けるようになること。
twitter:@ekasilicon1869

note版「翻訳と私」
39. 「大海のひとしずくでも~言葉が生みだす思いをかたちに」玉川千絵子
38. 「翻訳を道しるべに」渡辺はな
37. 「翻訳者になりたい、という問いに答えてみた」矢能千秋
36. 「行き当たりばったりで来た道だけれど、愛おしいと思う」猪原理恵
35. 「二足のわらじで夢に向かう」寺田早紀
34. 「すべてがここにつながっていたと、信じたい」鵜田良江
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30.「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)

大海のひとしずくでも~言葉が生みだす思いをかたちに 英日翻訳者 玉川千絵子さん

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第8回は、英日翻訳者 玉川千絵子さんに、「大海のひとしずくでも~言葉が生みだす思いをかたちに」と題して書いてもらいました。

玉川千絵子
英日翻訳者。共訳『ブラック・クランズマン』ロン・ストールワース著(パルコ出版)、共訳『海賊のジレンマ―ユースカルチャーがいかにして新しい資本主義をつくったか』マット・メイソン著(フィルムアート社)。

note版「翻訳と私」
38. 「翻訳を道しるべに」渡辺はな
37. 「翻訳者になりたい、という問いに答えてみた」矢能千秋
36. 「行き当たりばったりで来た道だけれど、愛おしいと思う」猪原理恵
35. 「二足のわらじで夢に向かう」寺田早紀
34. 「すべてがここにつながっていたと、信じたい」鵜田良江
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30.「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)

ミシシッピ冒険記〈ぼくらが3ドルで大金持ちになったわけ〉ダヴィデ・モロジノット 著、中村 智子 訳(岩崎書店)

 何を話してもネタバレになってしまいそうだが、まずはタイトルがいい。ミシシッピ冒険記〈ぼくらが3ドルで大金持ちになったわけ〉。マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』でしょ? と思うわけだが、ミシシッピ川を南から北へと向かう冒険は、物語に出てくるカタログ、新聞、地図に彩られ、フィクションでありながらも、リアルな世界へと読者を引き込んでいく。登場人物は主に子ども4人。子どもと言っても子どもと大人の狭間にいるヤングアダルト(YA)。冒険記と聞くと、男の子の話? と思うが、4人のうちのひとりは女の子である。


〈ぼくらが3ドルで大金持ちになったわけ〉とサブタイトルにあるので、タイトル自体がネタバレかと思いきや、物語は大きな謎解きへと展開していく。


 児童書でしょ? と思うかもしれないが、男の子、女の子、大人も十分に楽しめる作品だった。ドイツ児童文学賞ノミネート、イタリアアンデルセン賞などを受賞し、13の国と地域で翻訳出版されているだけあり、期待を裏切らない1冊だった。


 物語は1900年ごろのアメリカ南部、北部を舞台としており、黒人や女性に対する差別が残っている。扉の部分に作者から読者への注意書きがあり、作品内に出てくる差別、暴力は今では受け入れられないものの、当時はよくあったことと説明してあり、子どもから大人への階段をのぼっていく少年少女たちにぜひ読んでほしい作品である。


 とはいえ、1700円の本を買ってくれるのは大人かもしれないので、少し大人向けのコメントも書いておく。この物語には、1900年ごろのアメリカの地図、歴史が出てくる。そんな昔の話、聞いたって役に立つの? とつい思いがちだ。人種差別が色濃く残るアメリカ南部。頭に布を被り馬に乗った人たちも出てくる。この時代、黒人はまだ地位が低く、白人が地主の農場などで召使いや労働者をしていた。物語は1904年に始まるのだが、「南部 奴隷 1904年」で検索すると、ミシシッピ州でリンチされて殺された黒人2人のニュースがでてきた。フィクションではなく、私たちの暮らすこの世界で起きたことだ。スマホもなかった時代のことを子どもたちに理解させるのも難しい近ごろだが、100年くらい前にはまだそんなこともあった(そして残念ながら今のアメリカでも同じような事件は起きている。2020年にミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさん殺害事件は記憶に新しい)。また、女性の参政権がアメリカで認められたのは、1920年8月26日のことで、2020年には100周年記念シンポジウムが開催されている。フィクションの世界と私たちの日常は繋がっている。歴史、地理、黒人差別、女性差別、違法なギャンブルなど、教科書も顔負けの教材だ。本を読んで感想文を書き、興味をもった社会問題について調べたら、社会科の宿題も終わってしまいそうな内容である。面白かったよ、と誰かに薦めたくなる本だ。400ページ近い本なのだが、一気に読んでしまった。最後は謎解きなので、『名探偵コナン』などの探偵物が好きな少年少女も楽しめるだろう。


 子どもたちは今は春休みだろうか。休みの間にぜひ手にとってほしい作品だ。卒業入学のプレゼントにもいいよ!


 最後に、この本を訳している方は、ドイツの児童文学・YAを中心に書籍を翻訳している南ドイツ在住の中村智子さん。長編にもかかわらず読みやすいのは、中村さんの書く文章がテンポよく冒険を描き、ときには優しく語りかけてくれるからに違いない。冒険の物語でもあり、友情の物語でもある。新学期の朝読書に、中学生の少年少女にもお薦め!

翻訳を道しるべに 字幕翻訳者 渡辺はなさん

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第6回は、字幕翻訳者 渡辺はなさんに、「翻訳を道しるべに」と題して書いてもらいました。

渡辺はな
 1983年生まれ。横浜市出身、シドニー在住。字幕翻訳者(英日・中日)。担当作品は『フューチュラマ』『フィラデルフィアは今日も晴れ』(以上共訳)、『狂恋詩/狂った果実』『蜜の味』など。最新担当作『ザ・ブローラー/喧嘩屋』が4月2日からJAIHOで限定配信。
Twitter:@the_chen_5
HP:https://watanabe-translates.studio.site/


note版「翻訳と私」
37. 「翻訳者になりたい、という問いに答えてみた」矢能千秋
36. 「行き当たりばったりで来た道だけれど、愛おしいと思う」猪原理恵
35. 「二足のわらじで夢に向かう」寺田早紀
34. 「すべてがここにつながっていたと、信じたい」鵜田良江
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30.「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)

dav

行き当たりばったりで来た道だけれど、愛おしいと思う 英日翻訳者 猪原理恵さん

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第5回は、英日翻訳者 猪原理恵さんに、「行き当たりばったりで来た道だけれど、愛おしいと思う」と題して書いてもらいました。

猪原理恵(いはら りえ)
 1984年、神奈川県生まれ、大阪府育ち。国際基督教大学卒業。2012年、JAT第9回新人翻訳者コンテストの英日部門で入賞。ITやマーケティング系の文書のほか、『Dome-King Cabbage Demo』『Minoria』『エアラフェル(拡張版)』などのゲームを翻訳。初めて親にお願いして買ってもらったビデオゲームは『パロディウスだ!』。


note版「翻訳と私」
35. 「二足のわらじで夢に向かう」寺田早紀
34. 「すべてがここにつながっていたと、信じたい」鵜田良江
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」ドイツ語翻訳者 中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30.「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)

『Dome-King Cabbage Demo』より

二足のわらじで夢に向かう 出版翻訳者 寺田早紀さん

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第4回は、英日翻訳者 寺田早紀さんに、「二足のわらじで夢に向かう」と題して書いてもらいました。

寺田早紀(てらだ さき)
 京都出身。英日翻訳者。出版翻訳、記事・マーケティング翻訳。英語教師歴はそこそこ長い一児の母。訳書は『最新科学が証明した脳にいいことベスト211』(文響社)。ミステリとジャズ(チャーリー・パーカー)と手帳が好き。note https://note.com/sterada、twitterアカウントは @s__terada


note版「翻訳と私」

34. 「すべてがここにつながっていたと、信じたい」鵜田良江
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」ドイツ語翻訳者 中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30. 「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)

【翻訳と私】すべてがここにつながっていたと、信じたい  独日翻訳者 鵜田良江さん

2013年5月から2019年10月まで「日本翻訳ジャーナル」で連載していた「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」をnoteで続けてみることにしました。約6年半にわたり、31名の方に寄稿していただきました。ありがとうございます。バックナンバーは、「日本翻訳ジャーナル」でお読みいただけます。翻訳と私 Facebookページも更新していくので、よかったらフォローしてみてください。今後の記事は、Webzine「翻訳と私」にまとめていきます。よかったらこちらもフォローしてください。

note版「翻訳と私」の第3回は、独日翻訳者 鵜田良江さんに、「すべてがここにつながっていたと、信じたい」と題して書いてもらいました。

鵜田良江
独日翻訳者、元化粧品開発技術者。訳書は宇宙英雄ローダン・シリーズ655巻『神聖寺院作戦』、ローダンNEO 24巻『永遠の世界』、『スターリンの息子』(いずれも早川書房)など。小児がんの娘と自閉症スペクトラムの息子とバタバタ暮らし。福岡市在住。Twitterのアカウントは@hexenkursです。メッセージはお気軽にどうぞ。


note版「翻訳と私」
33. 「どんな自分で一生を終えたいか」山本真麻
32. 「心を決めたらすべてが動きだした〜出版翻訳への道」ドイツ語翻訳者 中村智子

「人間翻訳者の仕事部屋」「翻訳と私」バックナンバー
日本翻訳ジャーナル」:https://webjournal.jtf.jp/back-number/

デザイン: Charlie’s HOUSE

31.「翻訳をはじめて」廣瀬麻微(2019年9/10月号)
30. 「幼い頃の憧れが形になった翻訳という仕事」舟津由美子(2019年7月/8月号)
29.「翻訳が教えてくれたこと」児島修(2019年3月/4月号)
28.「子どもの本の世界」長友恵子(2018年11月/12月号)
27.「翻訳と私」矢能千秋(2018年9月/10月号)
26.「本の翻訳と私」最所篤子(2018年7月/8月号)
25.「調べ物という命綱」和爾桃子(2018年5月/6月号)
24.「効率的な翻訳を」上原裕美子(2018年3月/4月号)
23.「優秀な受講生のみなさんに講師が学ぶ翻訳教室」金子靖(2017年11月/12月号)
22.「空白のものがたり」喜多直子(2017年9月/10月号)
21.「ミスのない翻訳チェックをするために」久松紀子(2017年7月/8月号)
20.「世界一面白い本を」白須清美(2017年5月/6月号)
19.「ことばの森の片隅に」星野靖子(2017年3月/4月号)
18.「翻訳を仕事にするまで」石垣賀子(2016年11月/12月号)
17.「なぜ、『出版翻訳家』になりたかったのか」藤田優里子(2016年9月/10月号)
16.「わたしを導いたもの」斎藤 静代(再掲、2016年7月/8月号)

人間翻訳者の仕事部屋」(敬称略)
16.「わたしを導いたもの」斎藤静代(2016年7月/8月号)
15.「翻訳と役割語」片山奈緒美(2016年3月/4月号)
14.「『デュカン・ダイエット』をめぐる冒険」福井久美子(2015年11月/12月号)
13.「出版翻訳と軍事とTradosと」角敦子(2015年9月/10月号)
12.「私の選んだ道」久保尚子(2015年7月/8月号)
11.「実務から書籍へ、そして翻訳会社」山本知子(2015年5月/6月号)
10.「しなやかな翻訳スタイルを目指して進化中」倉田真木(2015年3月/4月号)
9.「Out of Line」小野寺粛(2014年11月/12月号)
8.「小さな節目に」熊谷玲美(2014年9月/10月号)
7.「はじまりは気づかぬうちに」北川知子(2014年7月/8月号)
6.「在米翻訳者のつぶやき」ラッセル秀子(2014年5月/6月号)
5.「校正刷りの山の中から」伊豆原弓(2014年3月/4月号)
4.「結局趣味が仕事になった」安達俊一(2013年11月/12月号)
3.「ワタシハデジタルナホンヤクシャ」安達眞弓(2013年9月/10月号)
2.「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」小都一郎(2013年7月/8月号)
1.「大統領を追いかけ続け早十二年」村井理子(2013年5月/6月号)