『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(シーグリッド・ヌーネス(著)、桑原 洋子(訳)、早川書房)

 邦題は、『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』、原題は、What Are You Going Through。久しぶりに再会した学生時代の友人に、最後の時間をともにしてほしい、と頼まれるという話だ。なんだかいかにも起こりそうで、手にとった。重いテーマを扱ってはいるものの、240ページと手ごろな厚さ。冒頭は軽妙で、表紙画もポップ。でもだんだん、この表紙の色づかいは、もしかして、と思えてきた。タイトルの『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』は、友人がいる部屋なのか、友人にとって著者がいる部屋なのか、著者が住んでいるアパートの隣人の部屋かもしれない。最後のときに近くにいる、という重いテーマを綴りながらも、元夫、元彼、隣人などなど、さまざまな人の他愛もなさそうなエピソードが回想されていく。フィクションでありながら、とても現実味がある。映画化もされているので、読んでから観るといいだろう。原作の最後は、読んでからのお楽しみ。

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